墓じまい・改葬に伴う宗教的儀礼
閉眼供養/お布施
これは主に仏教での話しですが、現在のお墓を墓じまいし、撤去するには、閉眼供養を行います。別名、御魂抜き(みたまぬき)ともいい、墓石に宿った仏様の魂を抜くための儀式・供養です。遺骨をお墓から取り出すには、必ず僧侶や住職に閉眼法要(閉眼供養)を行ってもらう必要があります。つまり、魂のこもった石をただの石に戻す意味合いがあります。また、改葬の際など、現在の墓石を移転先で使用する場合もありますが、墓石を運ぶときには御魂抜きを行い、失礼のないよう扱います。
あくまでも、宗教的儀式ですが。石屋や工事業者も儀礼を行わないと着手してくれないことも多々あります。閉眼供養は、家族などの身内だけで行うのが一般的で、宗派によりいろいろですがお花を供え、墓前でお経をあげるかたちが多いようです。
閉眼供養のお布施については、多くは「お気持ちで...」と言われます。確かに決まりはありません。しかし、いくらお包みしたらよいか悩まれるところでしょう。お寺によってはハッキリと金額を言ってくれることもありますが、だいたいは相場を基準とし、お寺の格式や慣習などを考慮して決めればよいと思います。寺院の境内墓地では3万~10万円とされ、とくに格式のあるお寺では、数十万ということもあります。これは、閉眼供養のお布施には、これまでお世話になったお礼としての意味も含まれているからだと思われます。まれに、別途、離檀料を要求されることもありますが、一般的には、閉眼供養のお布施が最後のお布施となります。また、民間霊園では、僧侶の手配をしてくれることも多く、それほど心配する必要はありません。その場合、霊園の指示に従い、2~3万円の金額となるでしょう。インターネットでも派遣の僧侶を頼むこともできます。これも2~3万円といったところでしょう。それとは別に、霊園までのお車代(1万円程度)をお包みすることもありますので、注意してください。